昇給率と賞与について

代表ブログ

来期以降の健全な成長に向け、現在中途採用を積極的に行っております。
その中で必ず相互に確認するのが年収です。価値を図るものとしてこれほど分かりやすく定量的な物はないからです。
2016年からの当社の平均年収、並びに昇給率が下記になります。
尚この平均年収データは有報ベースになります。

2016年 331万円(-%)
2017年 342万円(3.3%)
2018年 345万円(0.8%)
2019年 373万円(8.4%)
2020年 435万円(16.5%)
2021年 433万円(△0.6%)
2022年 430万円(△0.6%)
2023年 460万円(6.9%)
2024年 未定(未定)

これらの年収を構成する内容として、固定給と、業績給などそれ以外があると思います。当社では、業績給をLCLと呼んでいるので、議論を分かりやすくするために固定給以外をLCLと表現しております。

※表の一部記載に誤りがありましたので修正しております。

今期は過去最高の固定給までベースアップを行っており、2016年から比較すると約106万円ほど上がっております。

今の時代、私は全体支給額に占めるLCLの割合を概ね10%以下にしたいと思っています。人材不足が叫ばれる中、優秀な人材の確保においてあまりにもサラリーにボラティリティがあると採用が難しくなるためです。

もう過ぎた事ですが、過去、一人当たり営業利益をかなり上げた事業がありました。

我々経営陣からすると、相当な額のLCLを支給しました。しかし、業績が苦しくなるとその年収を基準に転職が相次いでしまいました。それなりの役職者までもが部下に転職を勧めていたりと、組織としては完全に体を成していない事態となったのです。当時の私はそれに気づけず、事態を悪化させてしまいました。経営者として当時の判断ミスは能力の限界を感じた、苦い思い出です。

実は当社を創業して数年後(2008年頃)だったと思いますが、当時とある業界でNo.1になりIPOして株価が爆上がりした会社の社長の話を聞いた事がありました。
「必死に皆で作りあげた会社を市場が評価してくれたのはいいが、付与したストックオプションが2億円、3億円になったあとは、沢山の人が辞めてしまった」と涙ながらに語られていました。

当時は???でしたが、今となってはその涙の理由が痛いほど分ります。私はこの話を聞いていたにもかかわらず、同じ間違いを犯してしまったのです。

ストックオプション制度や高い賞与が悪いということではないです。我々の場合はそれらを活用するにあたってそれまでの文化形成や社員とのコミュニケーション、人選に大きな問題があったのだと思います。
事業には「人」が必要不可欠です。長く事業を継続、成長させ世の中に貢献するには、この「人」が不要に退職する要因はなるべく排除しなければなりません。

さてこの昇給率と社員の平均年収ですが、中期経営計画のP/L、B/Sと同じように重要指標なので、思考を入れて目標値を示し作り上げています。
投資家並びに自分達が納得する利益を出す事、そして社員が適正な評価を受け、適正な評価を行う環境を提供すること、を大切にしています。
社員との間に信頼関係を構築する事は、業績を上げ続けるための最低条件だと信じています。

またそれが今私が大切にしている「社員が誇れる会社」へと繋がると信じております。