予算と成長
代表ブログ思い起こせば2013年にグロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社からの資金調達を考える少し前からIPOを意識し、会社にて単年度の「予算」というものを作り始めました。
お恥ずかしい話ですが24歳で起業した私は勤めをした事が無いので、それまでは予算策定の必然性を感じず、いわゆる行き当たりばったりの経営だったと思います。
途中決算期の変更が2回ほどありますのでカウントが少し歪になっていますが、来期予算策定で、回数としては恐らく十数回は作っている事になります。
そもそも予算を作るという行為自体にはどういう価値があるのか?という観点で言うと
市場分析・競合分析を行い、自分達の生産性(一人当たりの粗利、コスト、工数)を把握し様々な事が可視化され定量化される点だと思います。
又会社からすると様々な収益事業を抱えていれば、全体を見て単年度で赤字になる事業でも投資を行い短期P/L脳にならないようにバランスを取りながら収益の最大化を狙えます。
つまり予算を作ると、B/Sを最大限活用した経営が出来るようになる、という事です。
我々は今、単年度予算並びに3年の中期経営計画を作っています。
それはこれから3年の成長をコミットしたいという思いからです。
この数年を振り返ると、投資家に代表されるステークホルダー様との信頼関係を大きく毀損させてしまったと反省しています。
が故に、来期からの3年計画に関しては信頼を回復するべくしっかりお約束をしたいと思っています。とてつもないスピードで変化している「自治体市場」ですが、市場動向をしっかりと把握しながら組み立てていきたいと考えています。
我々においての予算とは何か?それは自分達との約束でもあると思っています。
基本、当社の予算はボトムアップで作ります。
もちろん私たち経営陣の意向も反映されますが、トップダウンで無理難題を強いるのではなく、あくまでも納得感のある数字を皆で作り上げていくスタイルです。
私はジムで体を鍛えるとき、ベンチプレスで約100KGを上げますが、50キロを上げ続ける事には意味があまりないと思います。105キロ、110キロに挑戦してこそだと常々思っています。
予算も同様に考えており、負荷の低い数字を追う事にあまり意味を感じません。
それは「成長」ではなくただの「延長」です。
「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」
という理念に反します。これだけ優秀人材を集めていてそれでは、社員を飼い殺しにしている、才能の芽を摘んでいると感じます。
ちなみに2023年3月期の営業利益は約1.8億円でした。
今年度の予算の営業利益は約2.25億円です。率で言うと25%の成長となります。
当たり前ですが私が大切にしている指標の一つが営業利益になります。
粗利を仮に25%伸ばして販売管理費も伸びを25%でコントロールできるならば見事に営業利益は25%アップになります。
粗利の伸び率と同じだけで販売管理費をコントロール出来れば営業利益率は上がります。
ちなみに前期FACTから今期予算でカウントすると、下記になります。
この伸び率のスプレッドが営業利益25%UPに繋がります。
突き詰めると粗利を伸ばすか販売管理費を下げるか?
もう少し言語化すると粗利の成長率以内でいかに販売管理費の増加率をコントロールするかです。これしか営業利益を上げる事は出来ません。
粗利の伸ばし方に知恵を絞り、販売管理費にも改善を重ねなければなりません。
当たり前ですが、ただ単純に人を増やして増収を担保しても必ず増益にはなるとは限りません。
増収と増益には雲泥の差があります。
増収は正直、誰でも出来ると思います。
増益するには、そこに知恵と魂と執念そして危機感が必要だと思っています。
ここにこそ企業文化、B/Sに乗らない価値が生まれると思います。
利益率を一定維持しながら増益を担保する、今はそれが非常に大切な考え方、またそれが求められているタイミングだと思っています。
改めて全社で単年度、中期経営計画を策定する今だからこそ、これらをしっかり考えながら作り上げたいと思っています。