採用時の頭の中

代表ブログ

このブログでは、採用に対する経営者の視点を正直に書いてみようと思います。

FY2024(前々期)の離職率が2.91%です。前々期採用した人数は39名です。
FY2025(前期)の離職率は5.97%です。前期採用した人数は38名です。

この2年間で入社した方の人数、比率が下記のようになります。
FY2024入社 32名 16.9%
FY2025入社 35名 18.5%
※2025年3月末時点における人数及び社員(189名)に占める割合

となるとこの2年以内に入社をした方々の比率が35.4%になります。

私が経営の中で強く意識しているのは
一人当たりの粗利を向上させながら人を増やすことです。

もちろん、固定費が増えることや、四半期ごとにしっかりと営業利益を確保し続ける難しさもありますが、前期まではなんとかこのバランスを保ててきました。
ですが、経営者として赤字はやはり怖い。私たちは純資産10億円程度の会社であり、ちょっとした風でも倒れてしまうかもしれない──そんな危機感を常に持っています。
「成長」という言葉は聞こえは良いですが、時に膨張にすり替わり、会社を壊してしまう危うさもある。これは過去の苦い経験から学んだ教訓です。

私が研究している、強い会社は安定した利益を計上し右肩上がりを丁寧に作りあげ岩盤に近い粗利を積み上げています。
属人的な部分と仕組化のバランスを保っている印象があります。

現場から「人が足りないから採用したい」と声が上がるのは我々の市場では当然のことです。
市場があり、勝てる仕組みがあるなら、私は迷わず採用します。

しかしその一方で、人を増やすことの怖さも常にあります。
固定費の増加、人生を預かる責任──どれも簡単に受け止められることではありません。
20年以上経営をしてきましたが、「この感覚が麻痺する日」はまだ来ていません。
これは経営者のタイプによるのかもしれませんが、私は今でも人を採ることに覚悟をもって臨んでいます。

ベンチャー企業において頭を抱える問題は、大体が「人」にまつわる問題です。
人の数、組織の数だけ問題はありますし、どんどん出てきます。

一見、頭が良さそう、経験がある、スキルがある──。
そんな人でも、会社のカルチャーに合わなければ、結果的にカルチャーを破壊しますし、組織やお金を任せることはできません。

立場を私物化するミドル層ほど恐ろしいものはありません。
また、謙虚さを失い、言う事とやる事の一貫性が担保されない人ほど会社にとってリスクは大きいです。

だからこそ、私は採用の最終判断で自問自答しています。

それは「この方は出戻りの方です、人はとても良くカルチャーフィットしてたけどイマイチ結果が出なかった人。カルチャーフィットはしなかったけど数字を出した人。果たしてどちらが組織にとって良い影響をもたらすのだろうか??私にとって答えは明白です。圧倒的に前者になります。」

勿論、組織の規模や事業フェーズなど単純に比較する事は難しいですが、私は後者は採用しないようにしています。
この採用は問題の先送りであり、結果として組織や自分自身が苦労するのは目に見えているからです。

ちょっと特殊かもしれませんが、私の場合この自問自答は、出戻りであるかどうかに限りません。新卒採用・中途採用関係なく、初めて会った方にもこの思考を当てはめて考えると、不思議と自分の中で答えが出るのです。

人間の真ん中にある価値観を、会社ごときが根底から変えて行くことには限界があるし、そんな大それた事を出来る訳がないです笑

基本的に私は人が好きで人に興味があるタイプの経営者です。
が故に、改めてこの「人」に拘って素直な人を集め、個人ではできない事を組織でなしえ、新たな価値を創造し世の中に必要な会社を創造していきたいです。

FY2026、今期も素敵な伸び代ある優秀な方々と出会い、どんどんホープの仲間になって欲しいです。

そしてここが大切ですが健全な新陳代謝で、合わない方々は退職していって欲しいです。

仕事は結論”この指とまれ”ですし、とまりたくなる会社を作るのも私の仕事であり、そのためにも良い方を採用し続けたいと思います。