予算について

代表ブログ

当社の決算期は3月で終了となります。

4月からいわゆる新しい期になります。2025年4月から決算で言うと22期スタートです。

少しこの予算について整理したいと思います。

思い起こせばスタートは2012年だったと思います。
グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社からの資金調達を行い、IPOを目指し証券会社様の伴走がスタートした時期です。

逆にいうとそれまでほぼ何もなかった、してなかったと言うのが事実です。(笑)
20名程度の会社でしたので(言い訳ですが)。

さて本題です、予算策定に関しては各社色々とやり方はあると思います。
私自身誰に習った?そういう自覚は何もないので参考にならないかもしれませんが、
当社はボトムアップとトップダウンのハイブリッド型と定義しています。

私の仕事の一つとして予算を決める事があります。

そのためまずは「変数」を「定数」に変えると言う感覚を大切にしています。
その中でまず決める事は「営業利益」になります。
当社は大きな減価償却、のれん償却はないので非常にシンプルに決めます。

続いて私は全社員の給与の上昇率を決めます。

つまり、頭の「営業利益」といわゆる固定費の代名詞「人件費」を確定させます。

昨年などはこれを決めた後にどうしても帳尻が合わず、給与の上昇率を3.5%から2.8%まで下げると言う事が起こりましたが・・・

次に私が気にするのは各事業部の粗利額、過去数年から見る粗利率の推移。
ここは市場分析・競合分析・法的リスクなどを気にします。

続いて投資項目になります。
当たり前ですが粗利額のUP以上に投資(=販売管理費)のUPを許容する事はあまりありません。
勿論、投資が必要な事業には遠慮なくアクセルを踏み込みますが。

私がよく思うのは、粗利を作る力が経営の真ん中にある、という事です。
予算を作る力は、粗利を蓋然性高く作る力、と言い換えても良いかもしれません。
今の当社はそれら粗利額の中で優先順位をつけて、投資を各事業部が実行する事になります。

この辺りはまさに中長期的な視点から優先順位を決める事になるので、事業責任者の腕の見せ所になります。

経営は自分の作りたい世界(理想)とP/LやB/Sとのバランスをとる事だとも思っています。
大型の資金調達を行うこと、また一時的に大きな赤字を出すことがNGとは言いません。
色んなビジネスモデル、市場があります。
しかし上場している我々が、「健全な成長」を掲げる我々が、それらを許容される訳がありません。

予算策定時によくあるのが、「販売管理費を多めに取って、粗利ショートに備える」という発想です。どこも予算未達は嫌なので気持ちは分からなくもないですが、これってある意味会社のお金を健全に回せてない事だと思っています。

経営者として心底ダサイ(嫌)のが粗利のマイナスを販売管理費の抑制で補い、利益調整を行う事です。

期末に粗利を予定通り作れたにもかかわらず、販売管理費予算などが5000万円余りましたと言われたら、それなら最初から従業員のサラリーアップや必要な事業に投資を行うべきです。
成長分野に積極的に投資を行い中長期的に成長を目指す、が正しい姿だと思っています。

とりわけ「健全な成長」を目指す当社としては、作れる粗利の中で、適切な投資を行い事業成長を目指すタイミングです。

20期からの四半期の営業利益額を出しておりますが、各四半期黒字で健全な成長です。
各四半期でしっかりと営業利益を出す事、赤字にしない事は大切です。
我々のモデルだと多少凹凸が生まれても良いと思っていますが、
大切なのは赤字の四半期を作らない足腰の強い会社になる事です。

■四半期営業利益推移(単位;百万円)

 

 

 

■通期営業利益
19期 1.8億円
20期 2.2億円
21期 2.8億円(予想)

正直このレベルの黒字だと、法改正や競合次第であっという間に赤字になると思っています。まずは通期での営業利益10億円を達成できるよう、堅実に目指して参ります。