債務超過の定点観測

代表ブログ

2020年12月から2021年1月まで続いたJEPX(日本卸電力取引所)の価格高騰の影響で、約80億円の損失を出してから約半年が経ちました。
FY2021も終わりましたので、改めて債務超過額に着目して振り返りをしてみたいと思います。

2021年1月末日の債務超過額が△45.4億円
2021年2月末日の債務超過額が△46.5億円
2021年3月末日の債務超過額が△45.1億円
2021年4月末日の債務超過額が△43.7億円
2021年5月末日の債務超過額が△30.5億円
2021年6月末日の債務超過額が△24.9億円
2021年7月末日の債務超過額が△20.4億円
2021年8月末日の債務超過額が△19.4億円

※1月、2月、4月、5月については監査法人の監査を受けた数値ではございません。また、7月、8月分は期間損益は反映しておらず、6月末の債務超過額に7~8月の第9回新株予約権の行使額のみを加算したものです。

 

債務超過を脱するには、事業で利益を上げるか、資本金を増やすしか方法はありません。

売上高 セグメント利益
広告事業 17億19百万円 3億28百万円
エネルギー事業 264億94百万円 △69億24百万円
ジチタイワークス事業 2億28百万円 58百万円

 

事業としては上記の結果でした。
広告事業とジチタイワークス事業は共にFY2021は予算対比で上振れでした。
一方エネルギー事業は、4Qでも通期でも予算とは大きく乖離する形になりました。

 

エネルギー事業については12月、1月のJEPXの市場価格高騰、インバランスの確報値を受けて、日本のトレンド、傾向が大きく変わっていたことをあらためて認識しました。
これは日本固有の問題ではなくグローバルトレンドの片鱗だと思います。SDGs含めて環境に最大限配慮する「世界」に追随する「日本」のスピード感では、目指すべき理想と日本固有の問題に直面している現実とのGAPを生み、表層化したんだと思います。

実はここにも、電気を一事業として販売する会社の経営者としての脇の甘さ、先を読む力が弱い点が露呈しました。
2018年3月にエネルギー事業を開始して、2018年、2019年と私はここまでのスピードでSDGsが金融を動かし世界を動かし大きな潮流になるとは思いもしませんでした。
改めて自分自身がサービスインしたマーケットへの影響を実感し、世界的潮流がいかに短時間で大きく、身近なものになるのかを痛感しています。

 

今後もこのままだと当社のように小さな会社では乗り越えられないような課題が次々出てくると思っています。あるべき姿に向かう途中の市場、ルールが故ではあると思いますが、現状では我々にはリスクが大きすぎると判断しました。よって、今年の12月には電力小売事業を子会社であるホープエナジーへ吸収分割による承継を行い、より機動的なグループ経営管理を行える体制へと変更する予定です。

9/28の株主総会で承認を得たいと思いますが、企業として生き残れるように粛々とやるべき事をやりたいと思います。

 

最後に、「債務超過」という言葉はこの16年のビジネス人生の中で最も無縁、ピンとこないワードの一つでした。
しかしホープ自身が陥り、色んな物が見えた、分かったのは事実です。
純資産30億円が△45億14百円までいきましたが、ブログを書いてる8月末でなんとか折り返し地点は過ぎました。

 

我々の今期のテーマは「やれることすべてやる」です。
役員陣、経営チーム、全社員、まさに一致団結して上記を体現したいと思います。