<第30回定時株主総会>質疑応答

インタビュー

2023年6月29日(木)に公益財団法人アクロス福岡 円形ホールにて「第30回定時株主総会」を開催いたしました。当日の質疑応答の内容に関しまして、その様子をレポートいたします。

なお質問につきましては株主さまのお名前は伏せて表記をし、回答に関しましては、代表取締役社長兼CEO 時津孝康・社外取締役 平田えり・社外取締役 福留大士が答えており、以下「時津」「平田」「福留」と表記しております。

※質疑応答に関しては、会場と事前質問(オンライン)の両方で受付を行いました。
 内容につきましては、一部原文そのままで記載をしている箇所と、ご理解いただきやすいよう一部に加筆・修正をしている箇所がございます。

 

■事前質問・ご意見(オンライン)

オンラインご意見①:がんばってください

時津:がんばります。

オンラインご意見②:利益でるよういのってます

時津:利益を出すのが我々上場会社の使命だと思っておりますので、しっかりやりきりたいと思っております。

オンライン質問③:以前、三菱商事株式会社との事業上の協業についてIRがあったと思います。協業については順調に進んでおりますでしょうか。相手のある話なので、一方的な情報公開は難しいかと思いますが、公開できる範囲で回答いただけますと幸いです。

時津:ご質問いただきありがとうございます。
引き続き三菱商事様とは協議・検討を進めております。申し訳ございませんが、公表できる段階になりましたら、即座に投資家の皆様に公表したいと思っておりますので、ご理解いただければと思います。

オンライン質問④:三菱商事に関する質問です。直近2週間または4週間のあいだで三菱商事との意思疎通そのものは1回でもあったのでしょうか?
もし意思疎通がないのであれば、それは音信不通であり交渉の消滅を意味するのではないでしょうか。もはや一方的な片思いであって消滅を受け入れていないだけではないのでしょうか。
年末のIRから6ヶ月になる。情報も漏れず一貫して口を閉ざすのは評価するが、決算・決算説明資料・動画説明会・ブログなど月日が経つにつれて三菱商事に関する存在感を消しつつあり、意図的に印象操作しているのは明らかだ。
IRで高騰させた株価に新株を売りつけ金を集めた。それから6ヶ月たっても株価は停滞しておりIRの続報がないのは、会社が水面下で動いていたとしても株主としては背信や悪質性が増したり危機管理の必要性も出てくるのだろう。株主の存在そのものが盲目的な片思いであるとは思ってほしくはない。

時津:ご質問いただきありがとうございます。こちらも先ほどと同じく、何をどうやったのかということに関しては回答することができませんので、我々といたしましては開示する必要性が出てきた場合には、Goodに関してもBadに関しても即座に開示すると考えておりますので、ご理解いただければと思います。

オンライン質問⑤:チェンジ社との連携に関してはどのような分野で期待できるんでしょうか?

時津:(2022年12月23日の)IRでも書かせていただいた分が1つですが、企業版ふるさと納税に関しては、我々とチェンジHD様と今連携をしながらこのマーケットで我々がNo.1になりたいと、これは開示している内容と同じですが考えておりますので、引き続き連携協議は進めております。
一方で、先日うるる社とチェンジ社、我々との連携で「調達インフォ」というサービスを一部我々が担うという座組をやっておりますので、これに関しましても、チェンジHD様が、いろいろと一緒にやらないかというお話をいただいたという背景もございますので、こういったもので少しずつ出せるものに関しましては、開示をしていきたいと考えておりますので、引き続き応援いただければと思います。

オンライン質問⑥:債務超過の解消めどは立ったと思いますが、上場維持で間違いないのか?東証のリリースも何も出てないが間違いないのでしょうか?

時津:本日6月29日が株主総会ですが、明日有価証券報告書を提出する期日となっております。その開示を行った後に取引所にも報告を行い、取引所に最終判断をしていただくということになっておりますので、上場維持に関しては我々が判断するということではなく、資産超過であれば、最終的には取引所が判断をして、取引所から開示がされるということになります。
明日、6月30日が期日と考えておりますので、もうしばらくお時間をいただければと思います。

 

■会場でのご質問

時津:長くなりましたが、事前にオンラインでいただいた質問に回答させていただきました。ここからは、せっかくお足元の悪い中会場に来ていただいておりますし、ジチタイワークスの責任者の森、社外取締役の福留社長も来ておりますので、株主の皆さまから、ご質問等ございましたらお受けいたしたいと思いますので、どうぞ。

個人株主さま①:福留社長に、チェンジHD様がホープさんに投資したいきさつ、今後どういうことをお考えになっているのか、を聞かせていただきたいと思います。

福留:チェンジHDがホープに投資をした背景ですけれども、もともとチェンジHDという会社がまさに地方創生とDXということをやっていく中で、やはり地方創生というのは、この福岡もそうなんですけれども、地元の自治体と地域金融機関、そして地場企業、この3者が、三位一体となって推進するものであって、まずはグループとして自治体のビジネスというところを確立しようという戦略で動いておりました。その中で、自治体のビジネスというのはホープという会社は創業当初から自治体に対してどういうサービスを展開するか、まさに事業内容に「自治体に特化したサービス」と書いてあるし、HPのアドレスをみても「zaigenkakuho.com」となっており、自治体の財政がどんどん厳しくなっていく中で、いかに財源を確保していくか、財源が確保できるようなサービスを展開していくか、ということを事業の軸に据えて展開しているということを、我々も自治体ビジネスを志す中で知りまして、時津社長と面識持たせていただいた中で、ちょうど、皆さんご存じの通り、エネルギー事業が外部環境もあり、非常に苦境に立たされた中で、いかにホープという会社を残していくか、ということを私個人としての立場でも考えましたし、当然会社の代表としても考えました。

ようやく、第1弾は私が個人で出資しました。そのときはまだ会社としてリスクを取れない段階でしたので、個人として約3億円の出資をしまして、そこで多少一息ついて、いよいよ条件が揃いつつあるという段階で会社として出資、となりましたが、私は特別利害関係人になりながら、(チェンジHD社としての)意思決定としては大変難しく、いろんな第三者を入れながら審議をしたんですけれども、やはり何のために、どういう事業上の狙いがあって投資をしたのかというところかと思うんですが、これから人口が減少していく中で自治体が担っていく役割は幅が広くなっていきます。幅が広くなってきて、ありとあらゆる社会課題を解決しないといけない中で、情報のとりまとめだったり、あるいは自治体に対するリーチができる会社は非常に少ないんです。

例えば、具体的なイメージを持っていただきたいので、一つの例を申し上げますと、エムスリーキャリアが、コロナのワクチン接種の医師や看護師の自治体への採用支援をしたいという事業を思いつきまして、私のところに相談が来ました。早急に営業体制やマーケティング体制を整えるというのは、我々のグループ会社だと、できません。なぜなら、外部のサービスを担いで自治体に案内したりアポイントを取ったりするという機能は当社グループ(チェンジHD)にはございませんので、ここをホープグループにお願いしました。そうするとものすごいスピードで、2週間から1か月くらいのものすごい短期間で、約1,100の自治体にすべてあたってくれて、エムスリーキャリアも最終的には大きなビジネスを獲得することにつながりました。

これって世の中にない機能、自治体によいサービスを提供したいとか、製品を提案して、世の中をよくしたい、いろんな課題を解決したい会社は世の中にいっぱいあります。例えば先ほど質問で出ていた三菱商事もそうなんですけども、三菱商事のような超巨大企業ですら、自治体のビジネスをやろうと思ったときに、ある種ホープに頼らざるをえない、というのが現実です。

我々(チェンジHD)もグループとして、1650の自治体と取引があります。1650というと全国に1788の自治体、基礎自治体で1741ですけれども、1788のうち1650、9割の顧客基盤をもっていても、我々リーチできません。機動的に2週間から1か月くらいで何百の自治体にコンタクトできるかっていうと、統制のきいた形でシステマチックにできる体制もありませんし、能力もありません。そういった中で、ホープにそういった仕事をお願いすると、ものすごく質高くスピーディにやってくれる、ということを私は体感していますので、これから前を向いて自治体のビジネスを強化していくときに、自治体向けビジネスを志したありとあらゆるプレーヤーの営業やマーケティング機能はホープが最も秀逸に担うんじゃないかと、そういうことがございまして、我々のぜひ仲間になってほしいということで出資をしたわけでございます。

これからも、先ほど時津社長からもあった通り調達インフォの話とか、企業版ふるさと納税とか業務提携の領域は開示しているものがありますけれども、これからどんどんいろんな企画をたてて事業領域を拡大しながらホープの強みを生かして、ホープにとっていいビジネス、チェンジHDにとっていいビジネスをお互いに作っていければなと思っております。

ご質問ありがとうございました。

 

個人株主さま②:平田社外取締役にお聞きします。2021年に入られまして、ホープの一番厳しい時期を社外取締役としてご担当されて、いろいろなサポートをされたということですが、どうにかここまできて、今後のホープの課題や、どういった役割を果たしたいと社外取締役として思っていらっしゃるのか、現時点での平田取締役のお考えをお聞かせいただければと思います。

平田:私にご質問いただきすごく嬉しいです。ありがとうございます。2021年9月に就任してから本当に苦しい時期でございました。エネルギーの外部環境に影響を受けて、その中でもこの取締役3名(時津・森・大島)は逃げることなく事業を守り切りたい、雇用を守り切りたいと思って、動いてきました。私はそのサポートでしたけれども、本当に強い会社だなと思います。

毎月、経営会議で部長の皆さんとお話するんですけれども、先ほどもモチベーションクラウドの話もありましたが、危機の時期もモチベーション高く持って、「ホープが担っている役割をなんとしても完遂するんだ」ということでやっていらっしゃいました。だから本当に強い凄い会社だなと思いながらサポートしてまいりました。

今後私が何をしていくかですけれども、ホープはもっともっと飛躍する会社だと思います。そのために今、もう少しリスクマネジメント体制のところ、例えば、個人情報保護体制ですとか、そういった足腰を強くすることが必要なのかなと。エネルギー事業の前もプロフィットを伸ばすというところに軸足があったかと思います。もう少し守りの部分の足腰を強くするというところに私が次の2年間で尽くしていく領域かなと考えております。

 

 

個人株主さま③:ホープエナジーを清算して、欠損填補をしたことで、税負担が増えると思うのですが、それをこえる勢いで成長してくれたら良いなと思っているのですが、実際問題、税金が増えることによってのやりにくさはあるのでしょうか?

時津:私の理解では、税負担が増えるということはなく、累積損失(繰越欠損金)60数億円くらいありますので、これから8年くらいは、ホープとしてはどんなに利益を積もうと、(それを超過する所得を出さなければ)納税の義務が発生しない(所得を課税標準とする税金費用は実質的に生じない)というフェーズが、これから数年はあります。したがってご質問にございましたホープエナジーを清算したことによって税負担が増えるということはないと思います。ホープとしては、累積損失の税務上の有効期限が10年と認識しており、(期限から)2年経過しているので、現在残り7・8年くらいはこの期間が続きます。

 

個人株主さま④:新電力について、結構前に日経新聞の地域版で新電力の破綻の話が出ていましたが、ホープの幹部の方のコメントで、「電力って簡単に売上が上がるんです」というコメントが載ってました。収益がそんなに簡単にあがるのかという違和感を感じた次第です。その顛末が申し訳ないですが、このような今の状況になっていると思うんですが、収益は右から左に簡単にあがるものではないと個人的には思っていますが、今後、収益の上げ方に関してどのようにお考えになっているのでしょうか。ご意見お聞かせください。

時津:その記事が、いつの誰の発言で、我々がオフィシャルで出したコメントかという認識がないので、そこに関して正確に申し上げることはできませんが、実際問題当初、我々がエネルギーを売るという時に関しては、旧一電様がほぼ寡占状態だったところを一般競争入札に変えてもらうことで旧一電様が20円で売っているところを我々が18円で売るという、そこに正義があると思ってやっておりました。実際に売上を上げることはできたんだろうと思います。ただ仰る通り、収益性を担保するそのビジネスプランを設計するということにおいては、JEPXに依存した形だったので、完全に、これは我々経営陣の読み間違いというか、リスク管理能力のなさを表した結果だろうなと思ってますので、これは真摯に受け止めるしかないので、ここから学ぶしかないというのが我々常勤(取締役)3名の思いです。

今後の収益の上げ方に関しては、我々は広告から始まった事業でして、粗利率50%で営業利益率7~8%くらいの事業でスタートした会社でありますので、こういった手堅い、確実性の高い収益をしっかり取りに行く、健全な成長を刻むというのが本来、ホープとして大切にしている考え方であったりとか、カルチャーだと思っております。

最初は「広報だざいふ」を1枠2万円で買って3万円で売るというところからスタートした会社ですので、初心を忘れることなくしっかり小石を積み上げていって、岩盤というか割れないものを積み上げていくような会社になりたいとは思っております。

これが、今の私の経営者としての考え方になります。ご質問ありがとうございました。