<臨時株主総会>質疑応答
インタビュー2022年3月24日(木)にibb fukuokaビル6Fにて「臨時株主総会」を開催いたしました。
当日の質疑応答等の内容に関しまして、その様子をレポートいたします。
なお質問につきましては株主様のお名前は伏せて表記をし、
回答に関しましては、代表取締役社長兼CEO 時津孝康・取締役COO 森新平・取締役CFO 大島研介が答えており、以下「時津」「森」「大島」と表記しております。
※質疑応答に関しては、会場と事前質問(オンライン)の両方で受付を行いました。
内容につきましては、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正をしております。
■事前質問・ご意見(オンライン)
オンライン質問①:「配当はいつからでしょうか?」
時津:配当は純資産がプラスでないとできないと考えておりますので、まず我々は、債務超過を脱することが先だと考えています。
オンライン質問②:「電力事業は今後どのようにするのでしょうか?」
時津:こちらは3/11にいただいた質問なので時系列が前後しますが、ホープエナジーは破産手続開始の申し立てを決定しており、粛々と進めております。
オンライン質問③:こちらも3/11にいただいた質問です。「2022年度中は上場廃止になる可能性がないことを提示していただけませんか?」
時津:決算期変更で自治体の事業年度と我々の事業年度を合わせて精度の高い予算を作っていく、結果として2023年3月末までに債務超過を解消すればよいとなるので、なんとかそれまでに債務超過を解消していきたいと考えております。
オンライン質問④:3/16にいただいたご質問です。「今回の定款変更で債務超過解消までの猶予期間も延びるはずですが、解消の道筋はあるのか?その具体的な計画を示してほしい」というご質問をいただいております。
時津:現状我々はプロフィット事業を4つ抱えております。これらについては我々がもっとも得意とするビジネスモデルですので、これらに注力することで、今後、様々なアライアンスを含めて債務超過を解消していくというのは十分可能なのではと考えております。
あとは、今後の成長の具体策についてですが、「2020 VISION」を2年前ほどに掲げました。その時点で10年後の未来を掲げているものでした。現状ホープエナジーの破産手続開始の申し立てを決定しているところですが、私としては「2020 VISION」を取り下げる、今諦めるというつもりは毛頭ございません。ただ目下、投資ができない、債務超過を解消しなければいけないという現状があるので、一つ一つ、丁寧に積み重ねながら、8年後の未来に向かって全社員で一致団結して進めるような体制を作っていきたいと考えております。
オンライン質問⑤:続いて3/23にいただいた質問です。「ホープエナジーの件の責任の取り方について質問したい。私は辞任することは逃げることと同じだと思っている。時津社長が最後までやり切ることが責任の取り方だと考える。今後の再生に向けた覚悟とシナリオについて、うかがいたい。」とご質問いただいておりました。
時津:もちろん、私および取締役会の意思決定でエネルギー事業を始めたことは事実です。ただここで私どもが辞任をすることは責任を取ったことにはならないと、我々常勤の取締役3名とも、考えております。それはおそらく逃げるということになると思いますので、まずは債務超過を脱するということが我々の責任の取り方ではないかなと思います。今後の再生シナリオとしましては、エネルギー事業は私が経営者である間は今後行うことはないでしょう。しかし今いくつか有力な事業があって、祖業である広告事業(株式会社ジチタイアド)であるとか、COOが管掌しておりますジチタイワークス事業(株式会社ジチタイワークス)とか、前年対比で非常に大きな伸びを見せております。こうした事業を含めて今後4つのプロフィット事業を中核にしながら「自治体に特化したサービス会社」を作っていきたいと考えております。
オンラインご意見⑥:3/23にいただいたご質問です。「自治体の財源確保や自治体と民間企業を繋げる等、御社の事業は社会的に重要な役割を担っていると思っています。電力事業は価格高騰の影響を受け大変苦労された1年だったと思いますが、上場会社としてリスク管理が全くできていなかったことは真摯に反省いただきたいと思います。大きな挫折を経験して生き残った経営者は、必ずと言っていいほど素晴らしい復活を成し遂げています。この難局を必ず乗り越え、人として、また経営者として成長していってほしいと心より応援しています。」
時津:ご意見いただき、ありがとうございます。上場会社として、リスク管理の観点から学ぶべきことが多くあったなと思います。昨今のJEPXの価格やおとといの東京電力による予備率の問題等、正直予見できたかというと予見できなかったことがこの1年半、ずっと次々起きているというのがこのエネルギーのマーケットだと思います。
あわせて私に対しての鼓舞をいただいておりますが、先ほど申し上げた通り、私が辞めるというのは私の中では責任を取っていない、逃げるのとイコールだと考えておりますので、どんなことがあったとしてもやりとげたい、最後まであきらめずにやりきりたいという気持ちを強く持っております。
オンライン質問⑦:続いて、3/23にいただいたご質問です。
「ホープエナジーが破産したことについてご質問です。
1、経営者として、破産についての責任をどのように取るつもりですか?個人的には辞めることは責任を取ることにならないと考えています。
2、同業他社様も同じような状況とは理解していますが、このようなリスクは予見できませんでしたか?
3、今回の破産により従業員様の動揺など影響はありませんか?
【メッセージ】
最後に、大変な状況が続いていますが、個人株主として応援しております。従業員一丸となってこの苦境を乗り越えてくれると信じています。創業者の志がなくならない限りは大丈夫です。時津社長のリーダーシップを期待しています。頑張ってください。」
時津:ホープエナジーの破産についてのご質問ですね、責任をどのように取るつもりかということについて、おっしゃっていただいた通り、辞めるということは責任の放棄だと思っておりますので、そのつもりは一切ございません。なんとしてもやりきりたいと思っております。
同業他社も同じような状況だと思いますが、リスクは予見できなかったのか、ということですが、もし、これらのリスクを最初から予見できていたらそもそもこの事業自体はやらなかったんじゃないかなと思います。先ほど申し上げた通り、電力価格高騰の異常現象というのは世界中で起こっていることではありますし、外部環境の変化は私からすると予見できなかったと考えております。
(ホープエナジーの)破産申し立て決定による従業員の影響はどうですかというご質問ですが、私の方ではこの株主総会の準備や、銀行様を含めた金融機関の対応で非常に多忙を極めていたため、内部の状況をそこまで把握できていない部分もありますので、この件に関してはCOOの森から従業員の動揺等について、発言を求めたいと思います。
森:取締役COOの森でございます。今のご質問にお答えさせていただきます。私の目線では従業員の動揺は、今回起こった問題に対してはかなり少ないものだったのではないのかなと思います。リンクアンドモチベーション社が提供しているモチベーションクラウドというサーベイがあるんですが、その担当からもこの状況でこの数値はいい意味で異常事態であると言われております。こういう問題が起こった時、会社の財務が痛んだ時、というのは数値がかなり下がるケースが多いが、そこまで数値がさがっていないと言われました。なので、大きな問題に対して従業員が抱えている不安というのは外部から見ても少なく見える、という言葉をいただきました。
私個人の目線では、従業員と話した感覚では、「不安は不安である」という言葉が従業員からは出てきています。ただ、自分たち経営陣のこと、会社の事を信じてくれて、一生懸命ついていきます、という言葉もいただいておりますので、先ほどの時津の発言にもあった通り、僕らはこの問題から逃げることなく、真摯に向き合い、会社をしっかりと立て直していきたいと、考えております。以上になります。
時津:私の方からも少し補足しますが、もちろんこのような経験は17年経営している中でも初めてです。もちろんファイナンスの戦いはありますが、私の中では「カルチャー戦争」と銘打って対応しております。もちろんこの変化に対応できなくなる人、不安にかられる人、いろんなリスクがあって辞めていく人、というのはゼロではございません。17年間経営してきた中で一貫した経営体制を貫いてきたというのもありますので、辞める者を止めるつもりは一切ございません。仕方がないと思います。ただ一方で、100名以上の社員を抱えておりますので、これらの人は我々のことを信じて、株式会社ホープのことを信じて、我々が提供しているサービスが世の中に必要なものだと信じて、ついてきているというのがあると思いますので、これらの人と来期1年間、戦っていきたいと思います。
このような状況になっているので、もちろん離職はゼロではないです。
以上がオンラインで事前にいただいたご質問になります。
■会場でのご質問
会場にいらしていただいた株主の方々からも、何かご質問ございませんでしょうか。
個人株主さま①:先ほどの質問にあって重複するかもしれませんが、ホープエナジーの破産に伴って、ホープ本体も影響を受けると思うのですが、来年の3月には会社は大丈夫だというのを確認したいです。
時津:ありがとうございます。現状、株式会社ホープがホープエナジーの債務引受を行っている事実は一切ございません。それはすでに、開示させていただいている通りです。親会社であるホープがホープエナジーの保証を行う予定もありませんし、事実もございません。
大島:取締役の大島でございます。私の方から補足させていただきます。今後ホープエナジーは破産手続きにおいて整理されることになりますので明確に断言することはいたしかねるのですが、会計的な影響、債務超過への影響は、今後の破産手続きの処理によって確定していくと認識しております。その点は適時お知らせにて発表していきたいと考えております。
個人株主さま②:電力事業で厳しい状況と思いますが、ホープの事業というのは、自治体にとってはなくてはならない事業、他社にはないユニークな事業をしていると思います。絶対になくならない、求められるものだと思います。今色々うかがって、社員さんの士気も高いということでした。この未曾有の事態をパワーに変えて経験を活かして、よりいい会社になれる可能性が十分あると。これからも我々株主として株を保有し続けたい、応援し続けたいと思っておりますので、改めて必ずこの危機を乗り切るという言葉を頂けませんでしょうか。
時津:ご意見ありがとうございます。そういう思いで創業してやってきているので、株主の方からそう言って頂けるのは非常にありがたいなと思い、こみ上げるものがあります。もちろんこういう危機に陥ってしまった経営判断をした我々の責任はあると思っておりますし、これまでも何度も倒れかかったことのある会社ではあります。でもあきらめるつもりはありませんし、世の中に必要な会社を作ったつもりですので、最後まで諦めることなく、全身全霊をこめてこの会社と生きていきたいなと思います。励ましのお言葉ありがとうございます。胸に刻ませて頂きます。
個人株主さま③:今後、8年後に向けてのロードマップがもしあれば、言える範囲で教えてほしいです。
時津:ありがとうございます。今ロードマップは具体的に作成しているものではありません。今ある課題を一つ一つクリアしていくことと、今持っているプロフィット事業を育てていくことが重要かなと思っております。ですので具体的に今現状で、提示できるものはございません。
個人株主さま④:今日の会場なんですが、ibb fukuokaの6階を選ばれた理由というのは何かあるんでしょうか。
時津:ご質問ありがとうございます。実は我々が実質初めて入ったオフィスビルが、このibbビルの3階でございました。当時ご縁があって入居させていただきました。後程お伝えしようと思っていたのですが、また原点に立ち返るという意味で、今回無理を言って会場を貸していただいたという経緯がございます。
最後に
時津:私たちは2005年の2月に創業した会社です。最初はこのビルの3階に入居しておりました。そういった場所で今回、臨時株主総会を開催させていただきました。何もないところから始まった会社でございますが、今回決算期変更を承認いただいたということで、4月から新生ホープとして、初心に返り一つ一つ小さなことを大切に積み上げて、今一度やっていきたいと考えております。
去年から起きたJEPXの問題、そしてホープエナジーの破産申し立て決定と、本当に押せば潰れるんじゃないかという状態でこの1年間走り続けてまいりましたが、なんとか今日ご列席の株主の皆様、また金融機関の皆様、そして従業員、様々なステークホルダーの皆様の力があって、なんとか今日ここまできております。
私は、先ほど個人株主の方からご質問いただいたように、「世の中に必要な会社であれば潰れない」と思っておりますので、それを証明する来期1年間になるのではないかなと思っておりますので、これまで同様、我々のことをご支援・ご指導いただければと思っております。
私からは以上になります。
本日は誠にありがとうございました。