<株主総会対談第2弾>社外からみたホープの「等身大」とは?(代表×社外取締役)

インタビュー

左より
代表取締役社長兼CEO 時津孝康
新社外取締役 奥本水穂氏(株式会社イクリプス 代表取締役会長&CEO)
社外取締役 田口一成氏(株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長)
社外取締役 納富貞嘉氏(株式会社Fusic 代表取締役社長)

 

2019年9月26日(木)にグランドハイアット福岡にて「第26回定時株主総会」を開催いたしました。前回は、代表×エネルギー事業部長の対談記事を公開いたしました。今回は、当社代表取締役社長兼CEO時津孝康と社外取締役の田口一成氏、納富貞嘉氏、奥本水穂氏の4者対談を行いましたので、その様子をレポートいたします。

 


 

時津:当社の株主総会第2部は、少しでも当社への理解を深めていただきたいという思いで行っています。当社の役員は、私、森、大島の他に社外取締役が3名おります。当社の等身大、本当の経営の現場で起こっていることなど、皆様の考えや意見、見え方等々含めて聞くことで株主の皆様に当社を知っていただきたいなと思っています。まずは簡単な自己紹介をお願いいたします。

 

 

―自己紹介をお願いします。

奥本:今回就任させていただきました、奥本と申します。私は、大分県日田市という福岡から1時間半くらいの場所にある田舎町で育ちまして、東京の武蔵野美術大学でデザインを学びました。デザインの勉強をする中で、インターネットメディアが急成長する時期に入って来まして、インターネットのホワイトキャンバス上で、デザインで勝負したいなと思い学生のうちにデザイン会社を設立しました。それから13年順調に成長してきましたが、一度事業を売却し、子育てに専念、その時に福岡に引っ越してきました。これを経て、現在は保育園、幼児教育等々、ITやデザインのコンサルティングの事業を行っております。宜しくお願いします。

 

田口:私は時津さんと同じ歳になります。福岡生まれで、25歳の時にボーダレス・ジャパンという会社を立ち上げました。ボーダレス・ジャパンという会社は、世界10か国で32社のグループ企業で成り立っています。従業員は1,000人以上で、社会課題を事業として解決するソーシャルビジネスを専門にやっているという事で、ホープも社会の課題を解決した価値提供、課題解決というところで、何かお力になれればと思って参加させて貰っています。どうぞ宜しくお願いします。

 

納富:僕は株式会社Fusicで社長をしております。時津さんと一緒で学生の時に起業しまして、うちの会社はもう17期目になります。ITの会社なのでエンジニアばっかりで、会社に戻るとスーツを着ている人は僕以外皆無というような状況です。ホープとはだいぶ社風も違いますが、ITの側面とか色々な形で貢献できればということで社外取締役を引き受けております。宜しくお願いします。

 

 

―なぜ当社の社外取締役を引き受けてくださったのですか?

時津:当社の社外取締役はそこまで高い報酬をもらえるわけではないのですが、なぜ、引き受けてくれたのかなっていうのを奥本さんと田口さんに聞きたいです。

 

奥本:まず、社外取締役にどうですかというオファーをくださったことがすごい面白いなと思っています。ちょっと柔らかい業界というか、イメージと感性だけで勝負してきたような、そういう女性の私に対して、オファーをするというビジョンというか、感性というか、社風というか、そういったものが面白いなと思いました。

時津社長というリーダーが大変粘り強いという印象がありますね。色々な市場の変化があっても粘り強く生き延びるという印象があり、新規事業の立ち上げも素晴らしいので、ぜひ応援したいなと思って参加させていただいています。

 

時津:ありがとうございます。田口さんはどうですか。無給で社外取締役を引き受けてくれていると思いますが。

 

田口:はい。まあ僕は、時津さんが友達としても好きなのですよ。それまで、4~5回くらい、福岡の同級生経営者の集まりがあって、集まりと言っても4人しかいないのですが、何度か集まってみて、時津さんは実直だなと。堅物といえば堅物ですが、実直で、素直で、良い奴で、それから「社外取締役にどう」とオファーをいただいたので、「良いよ」と。

 

 

―1年間社外取締役として走った率直な感想は?

時津:1年間社外取締役として走ってみて、経営会議にも来ていただき、取締役会にも出席いただいていたじゃないですか。この1年間走った、率直な感想をぜひ。

 

納富:1年間やってみての感想は、まず上場企業って大変だなっていうのが1つ。もう1つは社外取締役として、取締役会・経営会議に参加してきましたが、時津さんがトップなので、俯瞰して物事を見て話すことができる。俯瞰した立場で発言できるというのは、物事を遠目に見れたりするので、そういう意味では、僕は自分の会社に戻っても、最終決定者という立場で発言することもあれば、ちょっと俯瞰して見たりなど新しい視点を得ることが出来たなと思うので、自分自身含め、非常に学びがあったという風に感じています。

 

時津:なるほど。田口さんはどうですか。

 

田口:ホープはこの1年間ですごく変わりました。だから、楽しかったです。最初のどんよりとした、赤字でこれ以上へこんだらどうしようみたいな、危機感が満載のところから、なんとかそこを乗り越えて今羽ばたこうとしているので最近の取締役会は凄くノっていますね。その変化に一緒に付き合えたっていうのは良かったなと思います。

時津: 1年前、覚えています。確か株主総会だったと思うけど、「理念はいいから株価をあげろ!」って言われましたもんね(笑)

 

田口:そう言われた。

 

時津:なかなか苦しかったですよね。

 

 

―経営者視点からみた当社の経営上のリスクは?

時津:経営者視点から見た、当社の経営上のリスクはどんなものがあるか聞いてみたいと思います。ワンワードでも全然いいので、これ当社にとってリスクではないか?みたいなのがあれば教えてください。

 

納富:エネルギー事業部に関して質問が集中してるという事は、株主の皆さんが興味を持っている部分だと思いますが、ボラティリティがあるというのは常にリスクだなと思っています。それは皆さん認識している事だと思うのですが、あとは時津さんのモチベーションみたいなところ。

 

時津:モチベーション?

 

納富:常に高いところで求心力もあるのですが、そこが仮に失われた時はホープにとってリスクかなと。どの企業もそうかもしれないですけど。最大のリスクを1個上げるとしたらそれかもしれないですね。

 

時津:なるほど、私が事業に対してモチベーションが無くなっちゃう、という事ですね。

田口:僕はリスクを考えない人間なので、リスクという概念をあまり持ち合わせてないのですが、“機会損失”という意味でのリスクという話は常にあるだろうなと思っています。ホープの掲げている理念ってすごく大きい。そこに対して実態をどう突き合わせていくか、伸びしろが大きければ大きいほど、会社の付加価値の要素が沢山あるということで、ビジョンを大きく掲げるのはすごく良いことだと思う。けど、これを埋めていく作業と組織の成長っていうところを、うまく合わせていけるかという所がこれからの課題で、そのバランスが崩れると、理念が先行してやっていること違うよねって話になったりとか、何かそういった所が出てくる可能性があるかなと思う。まあただ、追いかけていくのが当たり前で、伸びしろしかないという状態を常に保っているのがベンチャー企業なので、リスクではないかな。課題意識としてそういうのを持っておくと良いかもしれません。

 

奥本:そうですね、今まで何度か経営会議に参加して、外側からの視点なので、今から内側に入るとまた変わるかもしれませんが、急成長しているので、現状とのギャップを埋めるための、組織作りや人材育成が追いつくのかな、でも追いつかせちゃうのかな、そういうリスクというか、期待値も込めて、そういう風に外側から見ていました。

 

 

―当社の魅力・参考にできることは?

時津:これは納富さんと田口さんに聞きたいのですが、これは別に褒めてって言っている訳ではなくて、1年間見て、改めてうちの魅力とか、逆に自社に持って帰れる参考になる事象でも良いですし、何でもいいのですが、あればぜひ聞いてみたいです。

 

納富:まず、社員が非常に真面目で堅実だなと思います。これは本当良い意味で、すごく真面目に、愚直にやっているし、時津さんのメッセージを受け取ってちゃんと進んでいるという所はすごく感じます。社員総会でも強く感じたのですが、時津さんを中心として一枚岩になっているなと。そういう意味で言うと、うちの会社はエンジニアばっかりなのでバラバラで、それが良い部分もあるけど、僕もちゃんとメッセージとかを明確にして、ベクトルを合わせるみたいな事は非常にまねをしたい、簡単なことではないが、やってみたいと思っているところです。

 

田口:今日は大島さんが話をしていないけど、取締役の時津さん、森さん、大島さんの3人っていうのは実は良いトリオだと思っています。時津さんが、結構リーダーシップもって経営しているように見えて、結構2人も対等に物を言えるっていうところがあるが、結構珍しいのではないかと思っています。COOの森さんは本当に時津さんの懐刀的な形で特攻隊長っていう感じで、全幅の信頼を置いていて、そのまま走ってくれみたいな。大島さんは「大丈夫ですかそれ」、「私の考え方違います」みたいな、良い牽制が3人の中で働いていて、でも最後は時津さんっていう、このバランスすごく良いなと思って見ています。それってなかなか作り上げられない関係性とチーム構成だなと思っていて、すごく勉強になります。

 

 

―V字回復へのターニングポイントは?

時津:実質前期もV字回復だったのですが、ターニングポイントだったなと思う事とかってなにかありますか。P/L上は約2億円改善していて、△1.2億円の赤字から約8,700万円の営業利益になりました。どうでしょうか、まずは納富さんからお願いします。

納富:「ビジョナリー・カンパニー2」という本に書いてあるのですが、重い弾み車を押すように、ぐっと力を入れていって徐々に回転していくみたいな章があったと思うのですけど、まさにそんな感じだと思っていて、時津さんがずっとずっと、役員含め全社員が頑張ってきたのが、あるタイミングから動き出したというだけで、別にあるタイミングで急に変わったというよりも、ちょっとずつちょっとずつ力を入れていって、ようやく動き出したって感じだと思っています。
実際、1年前に就任した時の取締役会とか経営会議の雰囲気と、今は様変わりしていますね。これはちょっとずつちょっとずつ変わっていって、1年経ってだいぶ明るくなってきたりとか、じゃあどうしようか、っていう建設的な前向きな話になっていっていると思うので、それは徐々に徐々に変わっていって、たまたまそれが数字に表れてきたという風に感じています。

 

田口:ホープの凄いところは、変化し続けたことだと思います。厳しい局面になった時に、ぎゅっと固まって身動き取れないタイプと、もがきなにか変化を取り入れようとするタイプがいると思う。僕らが社外取締役に招集されたのも、1つの変化を起こそうとしてやったことだし、今回さらに奥本さんを変化として入れていく。だから僕らなんか2年毎にどんどん入れ替えてもらって、常に新しい変化をホープの中に入れていくっていうのは、それが強さの源泉なんじゃないかな。これが起点ではないけど、厳しい局面で止まらず、何か変化を起こそうとしたのがよかったと思っています。

 

時津:分かりました。ありがとうございます。田口さんは2年と言わずもうちょっと居て貰っても良いですけど。

田口:そしたら報酬が高くなりますよ(笑)

 

時津:そうですか、それは考えます。

 

 

―当社の社外取締役として「これはやるぞ!」ということは?

時津:田口さん、納富さんは任期が残り1年、奥本さんは2年ですが、当社の社外取締役として「これはやってみたいな」というものがもしあれば、ぜひお願いいたします。

 

納富:これは2つあって、1つは社員のITリテラシーを上げたいなと思っています。僕はITの専門家という所をかっていただいて社外取締役に就任していると思うので、どういう形か分からないですけど、全体的なITリテラシーを上げていくようなことは何か出来ればと思っています。2つ目は、時津さんが常々取締役会で「経営者を育てたい」という話をしていて、僕も経営者という立場ではありますので、育てていくって言うとちょっとおこがましいですけど、経営者としての物の見方を伝えるなどできるのはないかと思います。経営者視点を持った社員が社内に増えると、もちろん強い組織になると思うので、そこに何かしら貢献できればと思います。

 

田口:ホープの理念である「自治体を通じて、人々に新たな価値を提供」という部分に共感しています。自治体って僕らの生活の大切な意思決定者であって、そこがどう変わるかって僕らの暮らしに大きく影響を及ぼしますよね。でも、その領域に入っていける人は、実は非常に少ないのかなと思っています。だからこそ、自治体に一石を投じ続けるっていうことは、この国を良くしていくことそのものになるかなと思っていて、その観点でホープにすごく興味と関心を持っているし、期待もしている。
その上で僕が提供したいし、やりたい事というのは、社会に対するリテラシーを持ち、社会に対する思想を持っているホープの社員を育てることです。やっぱり、社会に対して「こうしていきたい」という人間たちがホープに集ってほしいし、「このような社会を作りたい」ということを、自治体を通じてやっていく。働いている人間がどういう社会を作りたいかって思っていないと、「自治体を通じて新しい価値」は提供できないと思っていて、僕はそこはまだこれからのホープの課題かなと思っているし、僕自身が色んな形で貢献出来たら良いかなという風に思っています。

 

時津:ありがとうございます。では最後に奥本さんお願いします。

奥本:田口社長の愛ある示唆にちょっと感動していました。皆で日本を良くしていかないとだなあということを改めて感じました。私は、ぜひ経営会議の椅子に女性が座るようになって欲しいなと思いました。オブザーバーとして参加した時は、ほとんどが男性でした。議事録をとっている女性がいるくらいで、経営会議はたまたまそういう構成になっているが、実際社内では女性が大変活躍している会社だなと感じていて、すごくそういうパワーを感じているのですが、ぜひ経営会議の席に座るようになったらいいなと思っています。

 

時津:ありがとうございました。今回のこの対談を通して、あらゆる視点から当社の「等身大」をお伝え出来たのではないかなと思います。

 


 

全2回にわたりレポートしてまいりました株主総会の対談。過去のバックナンバーは下記よりご覧いただけます。

■第26回定時株主総会 第2部
<株主総会対談第1弾> ホープにおける新規事業の話(代表×エネルギー事業部長)

■第25回定時株主総会 第2部
代表取締役社長兼CEO・時津×新社外取締役対談~さらに強い組織へ 成長の条件とは~<第1弾-株主総会編->